投稿日 = 2008/8/29
題名 =設計料の清算によるトラブルについて
お名前 = 匿名
ご相談 =
質問者が住宅の新築を依頼して数か月間、接触してきた隣県の建設会社(以下、A社)が、
自ら提案した設計・監理を突如やめたいと主張し、法外な額の「設計料の精算」を求めてきた。
質問者にとって、A社の申し出は寝耳に水であると同時に、
後述のその内容は、無礼かつ不誠実で、また大いに迷惑させられたのであり、
同社からやめると申し出たのであるから、質問者に設計料支払いの義務はないと考えている。
ただし、これまでに質問者の新築プランを担当してきた、
A社の特に設計士などの仕事ぶりは熱心で真摯だったので、
A社(の幹部)が理不尽な主張と要求を改め、
反省して設計料を請求しない姿勢を新たに示した場合には、
設計料ならぬ謝礼(数万円程度)は払ってよい、とも考えている。
しかし、A社が裁判などの法的な対応をする可能性も考えられる。
また、設計者の債務不履行が認められている(自己都合による)契約解除の場合でも、
それまでの設計業務に関する報酬請求を認めた判決もある
──事案の具体的な内容は未詳──と聞いている。
A社の、エコ・健康住宅を行なう部門に、質問者の新築住宅を依頼したが、
同部門の幹部は、当初から
「エコ的な住宅には特別な技術・経験が必要だ。そうでない一般工務店などは使えない」
として設計・施行・監理のすべてを自社で行なう方針を質問者に明示してきた。
だが、7月上旬の見積書提出の後に、
「工事費の内、大工滞在費・交通費等を削減して、施主の予算内で家を建てられるようにするため」
として(つまり、質問者の希望にこたえるため、との論理で)、大工などの職人や木材などを
現地=質問者の居住する地域で調達することも、できる、と突然、提案してきた。
この時までに平面図・立面図・仕上表・見積書が作製され、
同社のスタッフ複数名が現地に数回、調査と打ち合わせに訪れ、
質問者=施主も計数回、主に打ち合わせのために同社を訪れた。
また、水回りの器具などを選定するために、
A社と質問者の居住地の中間にある都市の、
関係メーカーのショールームに、質問者とA社のスタッフが同行した日もあった。
A社の先の提案を受けて、質問者が知り合いの工務店(以下、B社)と
その社員である大工を伴って7月下旬にA社を訪れた際に、
A社の幹部が、設計・施行(+エコ)監理と施行とを分け、
設計監理はA社が、施行はB店が担当するという態勢を提案した。
同時に、A社が未作製であった展開図は、
同社は作製せずB社の側に作製してもらいたい、とB社に対して述べた。
A社が施行も行なう当初の態勢では、
既に同社作製の平面図・立面図でプランは確定するスケデュールが組まれていた
(7月中旬に「最終プラン」としてファクスが送付されていた)が、
質問者はこの日に、プランを一部修正をしたいとの希望を表明し、
同社の関係スタッフから了承された。
質問者がそう希望した理由は、
例えば当初のプランより軒を深くした方が家の寿命が長くなると考えていたし、
また、確認申請の後に申請図面と異なる工事を行なうと完了検査など、
後の手続に問題が出る旨、7月下旬にA社のスタッフから聞かされたから。
また、時間的にも、前述の新しい態勢を採用すれば当初示されたスケデュールよりも
時間的な余裕が生ずるし、その態勢のための新たな契約案の作製という課題も生じ、
そのための期間も必要になることが、A社から知らされていたからである。
7月下旬のA社訪問の際には、
「新態勢でやる可能性が高いが、正式には検討の末、後日連絡する」
と質問者は同社に伝えていた。
そして、訪問の二、三日後に、工務店=B社の了解も得て、
新態勢でやりたいとの意向を施主からA社に伝え、了承された。
7月下旬の会見後に、
A社から、8月中旬迄に設計・監理の契約案を提示する旨が知らされ、
質問者も、8月中旬までにプランの一部修正の案を連絡するので
その設計作業を行なってもらいたい、と述べて了承されていた。
プランの修正は、結果的には、本体と多目的室からなる家の内、
本体部分を南側に半間拡張、多目的室を後ろに数十センチ程度ずらす、
屋根の形状を総体切り妻から本体=切り妻+多目的室=片流れにする、
そして床材・羽目板などを変更する、といったもので階段の位置や間取りの大要は、
設計側に負担をかけないためにも変更しないとの意志をA社側に示し、実際にそうした。
このプランの修正内容は、
質問者からA社宛の最終連絡である8月上旬のメールに至るまで、
電話とメール・ファクスで計4回以上順次
(予告から具体的な内容、簡単な図面の送付まで用いて)伝えたが、
それに対してA社側からはデッキの位置と軒の長さについて
質問がされただけであり、かつその間、たとえば、A社の設計士は、
質問者宛てに
「(質問者から)平面の変更図面が送られるそうなので、それをまって、図面変更にとりかかりたい」
との趣旨の電子メールによる連絡もしていた。
質問者=施主としては、A社提案の新態勢を受けいれることしか考えておらず、
前記の電話やメールもそうした前提に立ってA社側にプラン修正の希望を知らせて
それに対する同社の意見や質問を求めていた。
ところが、A社の幹部は、質問者の最終連絡(前述)から数日間の沈黙の後に、
盆休み直前=設計監理の契約案を知らせる予定であった当日、の午後のメールで、
より正確には、社長名によるその添付文書で、A社が設計監理を行なわない意志を示すと共に、
従来の設計業務の報酬をこの時点で「精算」してほしいと述べて、「請求資料」も送ってきた。
設計監理を行なわない理由として、前記の社長名による文書は、
1) A社が提出済みの設計図書により工務店が施行し、
その範囲で施行監理も行なう「前提」であったのに、
施主とB社が「打ち合わせ」して「平面プランの変更」をしており、
これでは設計に関するA社の責任範囲を越える、
2)基本設計、実施設計、建築確認申請の業務において
A社とB社が混在し、責任の所在が曖昧になる、
3)故に、設計監理の業務報酬の積算も困難、
という理由を挙げ、質問者の家づくりのためには
(設計監理と施行を各々、A社とB社が行なうのではなく)B社が設計施行ともやる方が良い、
A社のエコ的な家づくりの素材や施行(法)に関するコンサルタント業務については、
今後も質問者が希望すれば応ずる、と述べた。
また、前記の「請求資料」では、算定根拠は「建築士事務所の業務報酬の考え方」であると述べ、
直接人件費、諸経費(調査等に要した日数)、技術料、特別経費、設計料、消費税などを合して
約107万円を請求してきた。
◎ 1)は質問者が希望したプラン修正の図面も作製するとした
建設会社の複数のスタッフの言明に反するし、
2)は、むしろ設計と施行を混在させるような発言(「展開図はB社に書いてもらいたい」)をして、
質問者が指摘するまで改めようとはしなかったのはA社なので、
説得力がない、
以上の結果として、3)も成り立たない、
と質問者は考える。
(A社の挙げる1)2)3)の理由が成り立たないと言える根拠は他にもいくつかあるが、ここでは省略する)
「設計料の精算」については、事実として、
A社側は従来のいずれの時期にも、設計料精算の基準、
支払い時期などについて、質問者へ口頭でも文書でも一切、説明していない。
ただし、
おそらく5月にA社が質問者に手渡した「住まいづくりのスケジュール」という文書では、
6月1日に「基本プランご提示(平面図・立面図のご提案(無料))」、
8月1日に「プランお申込み 有料
(プランお申込みにあたって、金10万円(税別)を申し受けます。
これは、建築工事ご契約の際、設計料の一部に充当させていただきます)、
9月15日に「詳細プラン お見積書ご提示」、10月1日に「建築工事ご契約」……
などと書かれている(契約・着工などのスケデュールは、後に変更されたが)。
だが、これまでに見積書は提出されたが、
「有料のプランに移行するから10万円の支払いをしてほしい」
などという発言がA社からなされたことは全くない。
また、契約書は、設計施行ともA社が行なう場合にせよ、
設計監理のみA社がやるケースにせよ、締結はおろか、見せられたことすら一切ない。
また、7月初旬にA社がいったん出した──というのは、
平面図や備品の仕様などは最終段階に達していなかったから──見積書では、
「設計料」の項目はあるが、その額は40万円とされていた
(それ以前に、妻が設計料を尋ねたときの同社担当幹部の回答もそれと同額)。
今回のことで、質問者がA社に報酬として支払うのが妥当な金額は、
前記の有料プランの10万円より少ない額ではないかと考えている。その理由は、
A社が前言を翻して新しい契約形態を提案し、しかも契約案を提示すると約束したその日に
その案さえ示さずに唐突かつ一方的に設計を中断したわけだし、
A社は設計図書も中途までの平明・立面図・仕上表等しか作製していない
(それ以外に確認申請のために何十枚も必要なはずの図面は作製されてない)、
また、A社の対応により施主はショックも受け、家づくりの態勢の再構築やA社による
「設計料の精算」の要求への対応の検討を迫られるなど、迷惑やコストも新たに生じつつある、
などである。
そこで、配達証明付きの郵便で、A社が従来提供した平面図・立面図・仕上げ表・見積書・
スケデュール表などで質問者が現有するものすべてを返送するとともに、
それに同封したA社社長宛の文書で、
今回のA社の申し出は設計監理の新態勢づくりを自ら放棄するものなので、
当方としては、従来A社から提出された平面図・立面図などを返却する。
これでA社と自分との関係は整理されたので、設計料の問題は発生しないし、「精算」の要求にも応じかねる」
と述べる──前記(1)(2)(3)への具体的な反論まではしない──のが良いのでは、と考えている。
このような対応でよいか?
(設計業務への報酬を裁判所から命じられたりするようなことがありうるのか)
それとも、ひょっとしたら、もっと多額の謝礼ないし設計への報酬を支払うべきか?
あるいは、また、たとえば、前段で述べたA社宛てに出す文書の中で、
「A社が反省し質問者にかけた迷惑をわびるなら、数万円程度の報酬の支払いも考慮する」
と明言した方がよいか? etc.
大変ご面倒ながら、ご教示いただきたく、宜しくお願いします。
(高知・男性・40代)
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